設立のご挨拶
2018.4.6
謹白
桜花の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、かねてより新会社の設立準備を進めてまいりましたが、このたび無事RePHAGEN株式会社発足の運びとなりましたので ご案内申し上げます。
これもひとえに皆様のご厚情とご支援によるものであり、厚く御礼申し上げます。
当社は、次の二つの事業を推進することで、無形である大学の研究力を具体的な「物」とし、沖縄県の産業振興ひいては我が国を含めた実社会へ貢献することを目的とし、設立致しました。
●VHH抗体作成
分子量が小さく次世代抗体医薬品開発において脚光を浴びているラクダ科抗体の多くは、ラクダ科動物そのものの生体を利用し抗体を取得していますが、当社では生体を用いない独自の技術により抗体の取得を可能としています。
この手法は、動物生体を使わないことから、生体利用方法に比較し半分以下の期間、半分から2/3程度のコストで、生体利用同等以上の抗体を取得することができます。
当社ではこの手法を用いて、VHH抗体作成受託事業を行ないます。
●バクテリオファージを用いた新規抗菌材開発
細菌を溶解し死滅させるバクテリオファージを利用した抗菌材開発および感染症治療は、過去に行われていたものの、その後の抗生物質の台頭により忘れ去られたものです。
近年、新規抗生物質の探索は加速度的に時間を要するようになり、バクテリオファージの利用は薬剤耐性菌問題への切り札の一つとされ、見直されてきています。しかし、一度廃れたものであるため、研究者の数は非常に少ない状況にあります。
当社は代表を務める村上の他、密接に関与するものに1名の計2名、数少ないファージ研究者が存在しており、この状況を生かしてバクテリオファージを用いた新規抗菌材開発を行ないます。
また役員として、次の者が経営に参画いたします。
●代表取締役 村上 明一 (現:琉球大学大学院医学研究科 助教)
●取締役 東 隆親 (現:東京理科大発ベンチャー㈱抗体工学研究センター代表取締役。元東京理科大学生命科学研究所 所長)
●監査役 原 一広 (現:㈶沖縄科学技術振興センターコーディネートフェロー)
会社名は、ファージライブラリー法による抗体開発および殺菌剤としてのファージ利用、すなわち技術の柱となる「 PHAGE 」をメインにし、ファージセラピーの再来を意とする「 Re 」を前に、また後ろに抗体の標的である Antigen (抗原)を短縮した「 AGEN 」を付加した造語「 RePHAGEN 」としました。
皆様のご期待、ご支援に応えるべく業務を推進させてまいる所存であり、つきましては今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
謹言
平成30年4月6日
代表取締役 村上 明一